パンデミックって?
初めまして、インゲン(ingen)と申します。
大変な状況で、外出もままなりませんので、ブログを始めることにしました。
よろしくお願いいたします。
いきなりですが、パンデミックについて考えようと思います。
ウイルスによるパンデミックがどのように進行するのかについては、例えば参考文献*1に示されています。
ただ、内容が非常に高度なので、この文献を参考に自分なりにより簡易なモデルをたてて、実際に計算してみました。エクセルで計算しやすいように、漸化式で表現します。
式:
罹患可能者 Sn+1 = Sn - In - Rn
罹患不可能者 Rn+1 = Rn + γ* In
罹患最中者 In+1 = In + β* In * Sn / S0 – ( Rn+1 - Rn )
罹患率 β
回復率+死亡率 γ
初期値 n=0 :
S0 = 10000 (単位:万人)
I0 = 1 (単位:万人)
R0 = 0 (単位:万人)
パラメータ:
下記のように、γを固定して、βをγより「小」、「同」、「大」の3通りについて計算します。
なお、「罹患可能者」とは、生存していて抗体を持っていない人であり、「罹患不可能者」とは、生存していて現在は罹患しておらず抗体を持っている人と亡くなった人の合計であり、「罹患最中者」とは、生存していて罹患している人をいうこととします。ここでは、死者もカウントしていることに注意して下さい。
また、罹患率βとは、単位期間⊿T(計算では1日を想定しました)の間に一人の罹患者が他人に罹患させる確率を、回復率+死亡率γとは、単位期間⊿Tの間に一人の罹患者が他人に罹患させ得ない状態(すなわち、回復してウイルスがいなくなった状態、又は、死亡した状態)になる確率をいうこととします。また、回復した者は抗体ができて再度罹患することがないとします。
このような仮定の下で、計算した結果は以下の通りです。
グラフからわかるのは、β<γ(No.1のβ=0.05の場合)では、罹患最中者の数は日に日に減少しますが、β>γ(No.3のβ=0.20の場合)では、罹患最中者の数は急激に増加してピークを迎え、やがて終息することです。そして、圧倒的に違うのはβ>γの罹患最中者は、β<γの罹患最中者よりも桁違いに大きくなることです。なお、β=γ(No.2のβ=0.10の場合)では、抗体ができるか死亡する人が少しずつ増加するため、罹患最中者の数は緩やかに減少します。
ここでは、日本を意識して1億人の人口を想定しましたが、これを世界の人口に置き換えても同じグラフの形になります。
そうすると、β>γの条件が成立すると、パンデミックが起きると言ってよさそうです。
パンデミックを避けるためには、β<γとすればよいと思われます。
具体的には以下の手段が有効であるということになります。
(1)罹患率を下げる:具体的には、罹患者に近づかない、罹患者は非罹患者に近づかない、マスク等によるウイルス飛散回避、手洗い等の身辺ウイルスの低減措置、等々。
(2)回復率を上げる:具体的には、ワクチン投与による体内の抗体産生の促進、ウイルスの増殖を抑える薬品(抗インフルエンザ薬)投与、自己免疫力を高める、等々。
いずれも、個人が罹患しない、あるいは、罹患しても重症化しないようする方策と何ら変わらないことになります。
注)上記計算に用いた数値は、特定の感染症を想定したものではありません。